慢性的な人手不足に悩んでいる

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近年、慢性的な人手不足で悩んでいる食品製造業・食品製造現場は多くなっています。ここでは、人手不足になる原因とその解決策についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

人手不足が起こる理由

少子高齢化と労働力不足

食品製造現場における人手不足の原因として、考えられるのが少子高齢化。日本の人口は2026 年に1 億 2,000万人を下回り、その後も減少。2050 年には、1億人を切り 9,700 万人になると推計されています。

高齢者人口のピークは2042年で3,878 万人になると推計されており、総人口が減る中で高齢者の数だけが増加。2035年には総人口の3人に1人、2060年には2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるとされています。

少子高齢化がこのまま進行していくと労働力の供給がさらに制約され、食品製造業における人材の確保はますます困難になっていくと考えられています。

参照元:農林水産省 食品製造業における労働力不足克服ビジョン(pdf)(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/attach/pdf/vision-23.pdf

離職率が高い

富士電機が行った「食品製造業における人手不足の実態調査概要」によると、食品製造業で人手不足に陥ってる理由についてアンケートを取ったところ、「離職率が高い」という回答が42.3%ともっとも高い数値となりました。

参照元:富士電機(https://www.fujielectric.co.jp/products/foodfactory/research/research01/

なぜ離職率が高いのかについてはさまざまな理由が考えられますが、そのひとつとして挙げられるのが「労働環境の過酷さ」。オートメーション化も進んではいますが、食品製造現場ではまだ従業員の手による作業が多め。業務内容にもよりますが、重労働を強いられるケースも少なくありません。

体力的にも精神的にも、こういった現場で長く働くのは困難であるため、ある程度の年齢で離職していく人が多いのです。また、人手不足により従業員の残業が増え、休暇が減るという悪循環も原因のひとつと言えるでしょう。

製造業へのマイナスイメージ

食品製造業における人材不足は、他の製造業に比べても深刻です。平成29年度における院食品製造業の有効求人倍率は2.78倍と、全産業平均の1.54倍よりも大きくなっています。

参照元:農林水産省 食品製造業における労働力不足克服ビジョン(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/attach/pdf/vision-23.pdf

一般的に、有効求人倍率が大きい産業は活気があると考えられますが、食品製造業は求人に対して応募が少ないのが現状。その理由として挙げられるのが、製造業へのマイナスイメージです。

製造業は「きつい」「汚い」「危険」の3Kがイメージとして定着しており、敬遠する人も多い業界。さらに、海外企業・メーカーと比較した際の従業員の待遇などが目につき、製造業で働きたいと考える人が減ってしまっていると考えられます。

食品製造業における人材不足の解決策

人材の離職を防ぐ

人手不足解消=新たな人材採用と考えがちですが、まずは今働いている従業員の離職を防ぐことが先決。現状が良くならなければ、新しく人材が入ってきたとしても長続きしない可能性が高いからです。

従業員のモチベーションを高めるために、キャリアパスを明確にするのもひとつの手段。勤続年数や実績がポジションや収入にどう反映されるのかをハッキリさせることで、従業員は目指すべき目標をリアルに思い描くことができるようになります。

また、職場の環境を整備することも重要です。古い工場で古いやり方のまま事業を続けていっても良い人材は獲得できません。従業員の声に耳を傾けながら環境を整えるよう努めることがとても重要となります。

海外からの労働者や、女性を積極的に採用する

人手不足を解消するには、これまで積極的に採用してこなかった層にもアプローチしていくことが大切です。とくに重視したいのは、女性や海外からの労働者。海外からの労働者を募るには、技能実習制度を利用するという方法もあるため、こちらも検討してみると良いでしょう。

ただし、新しく採用する層を増やすということは、環境の整備にも力を入れなければならないということ。男性メインの職場にいきなり女性従業員を入れても、長く持たない可能性があります。とくに技能実習生を受け入れる場合は制度に則って環境を整えなければならないため、綿密な事前準備が必要です。

企業のイメージアップを図る

一般的に、「きつい」「汚い」「危険」の3Kのイメージが強い製造業。人手不足を解消するためにさまざまな対策を講じても効果が見えないという場合、このイメージが邪魔をしている可能性があります。

企業のイメージアップを図るには、職場環境を整えた上でのSNSを使った取り組みのアピール、ホームページなどを用いて企業の魅力を発信するといった方法があります。採用したい層にしっかりと情報が届くよう、工夫を凝らしながら多様な対策を実行しましょう。

人手不足を生産効率化で解消するために
イラスト

株式会社アカネサス

北條氏

食品製造業をはじめとする、製造業の人手不足はますます深刻となっています。人手不足を解消するにはさまざまな手段がありますが、大切なのは自社が置かれている状況をしっかりと把握し、どのような改善を行うべきかを明確にすることです。

食品工場を建設・改修する際は、人材不足解消に重要な役割を果たします。従業員の働き方に耳を傾け、心身共に働きやすい職場を構築することがポイントです。

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