労働災害の発生は、企業にとって大きな痛手。それを防ぐために「労働安全性に適した工場を建設したい」といった場合、どのような方法があるのでしょうか。まずは労働災害が起こる理由を知り、対策方法について見ていきましょう。
労働安全衛生法では、事業者に対して「労働者の安全と健康の確保」が義務付けられています。とくに食品製造業では人手不足が深刻となっており、生産性の向上だけでなく働き方改革も並行して進めていかなければなりません。
その働き方改革において、重要な要素のひとつとなるのが従業員の安全と健康の確保。しかし、食品製造業における労働災害の発生頻度は全産業・製造業平均の2倍以上となっているのが現状です。
さらに農林水産省の調査によると、食品産業分野では作業現場における直接的なリスク対処・潜在的リスク(法令順守・使用方法理解・健康状態把握・機械安全・4S活動など)に対しては平時から取り組んでいるものの、積極的な対策を取っている事業者は少ないとのこと。
積極的な対策として挙げられる、危険個所対応・事故把握・対策の記録・第三者チェック・使用方法の明文化や可視化などに、企業をあげて取り組んでいく必要があるでしょう。
参照元:令和3年度 農林水産業・食品産業における労働安全強化対策推進委託事業のうち食品産業の安全コンサルタントによる安全診断・指導・調査分析事業(pdf)
(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/attach/pdf/roudou_anzen-52.pdf)
労働安全性が危ぶまれる原因のひとつに、既存工場や設備の老朽化が挙げられます。工場としての建物はもちろん、導入している設備も年数がたてば必ず老朽化します。適切なメンテナンスを行っていても、いずれは限界が来るでしょう。
設備が老朽化しているということは、その機能も劣化しているということ。急なトラブルで製造ラインが停止する、場合によっては危機から異物が混入するといった恐れもあります。最悪の場合、従業員の命が脅かされる恐れもあるため、とくに注意が必要です。
食品製造業に限らず、従業員が危険を伴う作業を行う場合、安全のための教育を十分に施さなければなりません。とくに食品製造業では、オーブン・カッター・攪拌機・コンベアといった大型の機器を使用するシーンが多くなります。
それらを使用して作業を行う前に、「なぜ危険なのか」についてしっかりと教育をしなければ、安全を確保するためのルールや手順の重要性を十分に理解できません。その理解不足が、労働災害発生のリスク上昇の原因となるのです。
また、労働災害は人手不足が原因となることもあります。たとえば、本来2名で行う作業を1名で対応する、十分な休暇を取れていない従業員を長時間労働させる、といったケースです。人手不足によるムリな労働が原因で労働災害が起こった場合、企業の責任となる可能性が高いため注意が必要です。
現場の安心・安全は、働きやすい職場づくりから生まれるものです。まずは企業側が現場の状況を詳細に把握し、従業員がスムーズに働ける環境を整えていかなければなりません。
企業の規模が大きくなればなるほど、管理を行う上層部・責任者と現場の認識にズレが生じやすくなります。まずはそのギャップを埋めるために、上層部は現場の声に耳を傾けることが第一。従業員が、どの程度衛生管理・安全管理について理解しているか、どういった点が危険だと感じているか、といった情報を把握しましょう。
上層部と従業員の間のコミュニケーションが活発になれば、おのずと改善点も見えてくるというもの。それに対して適切な対応策を考えることで、労働安全性に適した職場・工場建設が実現すると考えられます。
食品製造業における労働安全性を確保するには、5Sについて見直すことも重要です。以下に、5Sについて改めて解説していきます。
5Sについては、どの食品製造業でも当たり前に行っていることですが、これが守られていないと作業中に思わぬ事故・トラブルが起こる可能性が高まります。労働安全性に適した工場を建設したいと考えるなら、改めて認識・徹底することが重要です。
株式会社アカネサス
北條氏
新しく食品工場を建設するのであれば、生産性の向上だけでなく労働者の安全性にもしっかりと配慮するべきです。こうした取り組みには確かに費用はかかりますが、企業イメージアップや人材の確保につながるといったメリットもあります。
しかし、あれもこれもと欲張って導入してしまっては、簡単に予算オーバーとなってしまいます。企業の特性や現状に合わせて「どのような取り組みが必要なのか」を知るためにも、専門家への相談をおすすめします。
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