食品工場として長期にわたって安定的に稼働できる工場や生産体制を実現しようとすれば、単に高価な設備や高性能な施設を用意するだけでは不十分です。
そもそも食品工場の多くは長時間の稼働が行われており、同時に製品には絶対的な安全性や衛生面での信頼性が求められています。そのため、単に長期にわたって設備が稼働するだけでなく、品質を維持して安全な製品を安定供給する仕組みが重要となります。
そのため工場や設備のメンテナンスや作動環境についても気を配り、不良発生や作業停止といったトラブルがないよう維持管理の面でも利便性の確保が必要です。
どれほど高価で高性能な設備を導入したとしても、それぞれの機器や設備には必ず耐用年数があり、それを超過すると不具合や不良のリスクが高まります。
そのため適切なメンテナンスを継続することは当然として、最初の段階で耐用年数の長い設備を導入することも大切です。
また、耐用年数に優れた機器は初期コストが高額になることもありますが、壊れやすい設備を導入すると結果的に設備更新の頻度が高まって安物買いの銭失いとなり、生産性も低下することを覚えておきましょう。
食品を取り扱う工場において、常に作業環境の清掃や設備のクリーニングを行い、清潔な環境で作業できるよう維持することが不可欠です。
また機器や設備の隙間にホコリが溜まったり汚れが固着したりすることで、故障のリスクを高めて設備の寿命を低下させてしまう恐れもあります。
そのため長期の稼働を目指す上でも清掃・クリーニングは重要です。
食品を製造する機器や設備に不具合・不良が発生すれば、必然的に生産される製品の品質も低下します。その結果、大量の回収・再生産が発生したり、場合によっては不良品を購入した利用者に健康被害が生じて深刻な賠償問題へ発展したりする危険性もあるでしょう。
耐用年数の長さに関係なく、製造機器の日常的な点検や定期メンテナンス、修理の実施が大切です。
作業場所の壁や床に亀裂や割れなどがあると、作業中に作業員が転倒する危険性が高まったり、壁の一部が剥がれてラインへ混入したりといったリスクが増大したりします。
信頼できる製造環境で安心して製品を生産していくためには、作業環境そのものの信頼性や安全性の確保が欠かせません。もし壁や床、天井に異常を発見した場合、速やかに対処してください。
メンテナンスの不備などによって不具合リスクが高まると、結果的に食品への異物混入や衛生面で問題のある食品の製造といった事態に発展します。
その結果、食品を購入した利用者などに食中毒の被害が広まったり、または膨大な数の商品を異物混入などが原因で回収したりと、深刻な企業リスクに発展することも必然です。
メンテナンスを適切に実施することで防げるリスクや損害が多いことを社内全体で周知徹底しておきましょう。
日々の清掃作業や機器のクリーニングに取り組みやすい環境を整えることで、従業員の意識向上につながるだけでなく、設備やシステムの安全性も高められます。
また、日常的にメンテナンス意識を高めておくことで異常や不具合へ速やかに気づきやすくなる体制が強化され、トラブルを未然に防いだり被害を最小限に抑えたりできることも重要です。
なお、環境改善には現場の声を聞き、全社員が当事者意識を持って取り組むことが肝要です。
HACCP(ハサップ)衛生管理とは、食品製造などに関わる事業者が自ら食中毒リスクや異物混入リスクといった危険要因を把握し、原材料の仕入れから製造、製品の出荷まで全工程のリスクマネジメントを合理化して安全対策へ取り組むための手法です。
厚生労働省ではコーデックス委員会の策定したHACCP7原則をベースとして「HACCPに基づく衛生管理」を設けており、それに則って工場の設計やプランニングをすることも有効な対策となります。
参照元:厚生労働省|HACCPに基づく衛生管理
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/01_00020.html)