ゼネコン?エンジニアリング?依頼先の違い

このページの目次

食品工場建設の依頼先として挙げられる、ゼネコンとエンジニアリング会社。この2つの依頼先には、どのような違いがあるのでしょうか。自社に合った依頼先を選ぶためにも、基本的な情報を押さえておきましょう。

ゼネコンとエンジニアリング会社の違いとは?

ゼネコンとは

ゼネコンとはGeneral Contractor(ゼネラルコントラクター)の略称で、主に大型建築物を手がける総合建設業者のこと。ゼネコンに明確な定義はありませんが、自社で設計・施工管理・研究開発の3業務を行っており、その中でも売上高が数千億~数兆円にのぼる企業をゼネコンと呼ぶのが一般的です。工務店や建設会社では設計・施工の2業務のみを提供していることが多いため、研究開発についてはゼネコンの大きな特徴のひとつと言えるでしょう。

ゼネコンの業務の中でも、中心となっているのが施工管理です。ゼネコンにおける施工管理は、作業現場や従業員の安全を守る「安全管理」、計画通りの内容で作業が行われているかを確認する「品質管理」、計画書・プロセスの管理を行う「工程管理」、予算に沿って工事を進めていく「原価管理」が4大管理。ゼネコンはビル・商業施設・テーマパークといった大規模工事に携わるケースが多いため、管理工程・範囲も多くなるのが特徴です。

エンジニアリング会社とは

エンジニアリングとは、基本設計から機材・ツールの調達、建設や設置工事、テスト運用といった業務まで幅広くカバーする業務。それを手がけるのがエンジニアリング会社です。

エンジニアリングにもさまざまなジャンルがありますが、プラント(工場・設備)の設計・施工管理を行う業種はプラントエンジニアリングと呼ばれています。

プラントエンジニアリングの中でも、食品工場を中心に手がけることを食品エンジニアリング会社と呼びます。食品エンジニアリング会社では、食品の生産量・形態に合わせた設備の提案および導入、工場が抱える課題の解決などが主な業務。また、食品工場向けの製品や設備の販売、製品の開発、建築、改修工事、アフターメンテナンスなども業務に含まれています。

ゼネコンとエンジニアリング会社は何が違う?

業務内容を見るとゼネコンもエンジニアリング会社もほとんど同様に思えますが、ゼネコンが主に手がけているのは大型商業施設・テーマパーク・競技場・ビルといった建築物。エンジニアリング会社は、工場をはじめとする生産設備の設計・建設を中心に行っています。

どちらも食品工場に特化しているワケではないため、依頼をするときは食品工場建設の実績が豊富な企業を選ぶことが大事。とくに食品工場は求められる設備・機能・条件などが多岐にわたるため、実績に基づいた適切なアドバイスは必須となるでしょう。

食品工場の建設に求められること

さまざまな人が口にする、食品を手がける食品工場。原料の加工や成形、製品の貯蔵や包装といった生産システムの効率化だけでなく、エンドユーザーである一般消費者のことも考慮しなくてはなりません。とくに食品工場の建築では、一般的なプラントエンジニアリングとは異なる専門的な視点が求められます。

洗浄性を考える

食品工場では、原料に触れるすべての場所について清潔を保てるよう、それぞれの機器に簡単にアクセスできるよう設計する必要があります。その機器の多くは、分解せずに自動的に洗浄できる定置洗浄(CIP:Cleaning in Place)というシステムが用いられます。

たとえば食品工場の多くで使用されている大型のフードプロセッサーは、構造が複雑で洗浄も困難な機器。こういった設備を、より費用対効果の高い方法で効率よくかつ徹底的に洗浄できるよう考慮することが重要です。

コンタミネーション(汚染)を防ぐ

食品工場を建設する際には、コンタミネーション(汚染)のリスクを考慮する必要があります。設計の段階からコンタミネーションの発生を事前に防ぐ、物理的に発生しないような仕組みを考えなければなりません。

コンタミネーションのリスク除去は、食品の安全性の確保といった面で非常に重要な要素。ここで役立ってくるのが、HACCP(危険分析重要管理点)の計画です。

HACCPは、コンタミネーションをはじめとする食品衛生にまつわる潜在的なリスクを防止・軽減・排除するために開発されたシステム。原材料の調達・製造、製品の製造・流通・消費に至るまで、一貫した管理を行います。

このHACCPに則って食品工場を設計・建設することで、コンタミネーションのリスクを大幅に軽減できると考えられます。

HACCPを導入したいと考えている企業であれば、ぜひ情報をチェックしておいてもらいたい「HACCPハード事業」という補助金制度。

下記では、HACCPハード事業はどのような取り組みなのか、利用することでどのような恩恵を得られるのかについて解説していきますのでぜひご参考ください。

HACCPハード事業について
詳しく見る

食品工場建設の依頼先選びで重視すべきこと
イラスト

株式会社アカネサス

北條氏

食品工場は、人の体内に入る食品を製造する場所です。企業としては生産性の向上や効率を重視したいところですが、やはり第一に考えるべきは衛生面。安心安全な製品を消費者に届けられる工場を建設しないと、異物混入・品質劣化といった問題が発生し、企業の存続が危ぶまれる恐れもあります。

食品工場建設の依頼先を考えるのであれば、ゼネコンとエンジニアリング会社といった種類に捉われず、「どれだけ食品工場の建設にくわしいか、実績があるか」を重視したほうがよいでしょう。

まずはご相談
株式会社アカネサス