HACCP対応工場の設計

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HACCPをもとにした食品工場のレイアウト

食品製造業者が遵守しなければならない衛生管理や安全管理について、どのような流れや方向性で食品・食材の管理を行うべきか、適切な管理手法がHACCPとして定められています。

そのため食品工場の設計やレイアウトについて考える場合も、HACCPの示すフローチャートや管理すべき重要ポイントを前提として、HACCPに沿った業務体制を実現しなければなりません。

設備レイアウトや室内環境、壁材床材などの建築資材の特徴が、HACCPにマッチしているか正しくチェックしていきましょう。

HACCP対応工場を設計する場合の注意点

工場の立地や周辺環境

食品工場を設計して安心安全な衛生環境や管理体制を実現するためには、そもそも工場を建築する土地や周辺環境が健全かつ安全なものでなければなりません。

事前調査によって土壌汚染や水質汚染、大気汚染といった環境リスクがあると判明すれば回避することは当然として、例えば建設予定地の周囲に飲食店や工場などが存在していると、生ゴミによって害虫や害獣が増加したり、工場からの煙や粉塵が食品工場へ流れてきたりといったリスクも増大します。

そのため食品工場の設計を考える前段階として、立地環境や周辺環境に配慮することが大切です。

施設の構造と設備の配置について

食品工場で製造作業を行う上で、異物混入や食中毒菌の発生といったリスクを回避できるよう施設の構造を検討したり、設備の配置を考えたりすることも重要です。

例えば工場の内と外をつなぐルートには害虫や害獣が侵入しづらい対策を施し、また空調設備や換気設備、清掃設備といったものの配置についても日々の作業や食品に悪影響を与えないようゾーニングや業務フローを意識します。

また排気口や排水孔といった工場の内外をつなぐ部分に関しても害虫・害獣の侵入リスクへつながる点を覚えておきましょう。

もちろん作業員の動線についても効率性や安全性を適切に考えます。

空調・換気設備について

空気中には様々な雑菌やホコリなどが存在しており、食材へのリスクを回避するためには空調設備や換気設備を適切に導入・配置して、空気の流れをコントロールし様々なリスクを工場の外へ排出することが大切です。

しかし空調・換気設備の設置方法が誤っていると、逆に異物混入や害虫・害獣の侵入のリスクを高める点に注意してください。

その他のポイント

例えばどれだけ工場の作業空間をHACCPに沿って設計したとしても、個々の従業員にとって精神的・肉体的負担を強いるような労働環境では、結果的に従業員の労働意欲が低下して衛生管理や安全管理への注意も散漫になります。

そのため従業員が日常的に利用する休憩室やトイレ、またそこに設置されている各種設備についても合理的かつ利便性に配慮した仕組みを検討します。

工場設計の全体像について考える

食品工場は完成してから設備を改修することが困難であり、ましてやHACCP非対応の環境を適正化するリフォームは高難度です。またそもそもHACCP非対応の工場では常にリスクがある点も無視できません。

食品工場の建築には土地の取得や行政との協議、各種手続きといった段階も必要になるため、最初にきちんと全体像をまとめた上で設計を進めましょう。